アンティークビーズ、ヴェネチアンビーズ、
「スワロフスキー」に代表されるクリスタルビーズ…
星の数ほどもあるビーズがひとつのアクセサリーになる過程。
それは、作曲にも似ているという。


静子’S ビーズデザイン
三浦 静子
さん Sizuko Miura
能代市西通町

おしゃれ心の結晶

 きっかけは、気に入ったアクセサリーがなかったから│。洋服にアクセサリーを合わせるとき、私たちは多くの場合、つたないコレクションの中からイメージにもっとも近いひとつを選び出すものだ。「でもビーズなら、ベストなものを作ることができる。本物の宝石ほど大げさでなく、気軽に、それでいて気持ちまでキラキラするものをね」
 その日の三浦さんのファッションは、淡いブルーの花柄のGジャンに、灰色がかったブルーのスカート。しかしとりわけ目を引いたのは、「服に合わせて作った」という胸元のネックレスだ。トルコ石風のビーズと琥珀色の玉がちりばめられたそれは、世界にたったひとつのオリジナル。おしゃれ心の結晶だ。


私だけの色とデザインを

 小学生のころからあこがれていたのは服飾デザイナー。OL時代は事務系職だったが、「ものをつくる楽しさ」に引かれ続け、陶芸やフラワーアレンジメントの教室に通いながら、感性にぴったりくるものを探していた。そんな時に出合ったビーズは、三浦さんの創造力をたちまち開花させることになる。
 「私のテーマは、色とデザインの表現。星の数ほどもあるビーズを組み合わせていく作業はたいへんですけど、言葉とメロディーをつむぐ感覚で作ります。私らしさを表せるのもビーズだから」


宝石以上の宝石

 インスピレーションの多くは洋服から。主役があってこその脇役だから、とファッションの研究も欠かさない。「ネックレスとかリングとか、広告塔みたいにいろいろ身に付けて歩いてます。(笑)
ビーズに感度の高い人は目の色を変えて寄ってきますね。秋田の人にも、もっと親しんでもらえればと思います」
 ビーズの魅力は、万人が楽しめること。主宰している教室では、年齢など関係なく誰もが夢中になっているそうだ。これからはアクセサリー以外にも挑戦し、ビーズの可能性を広げたいという三浦さん。宝石以上の宝石、それがビーズなのかもしれない。