ネイチャークラフト作家 すみよし よしえさん


Yoshie Sumiyoshi
男鹿市船越字一向
  

 貝殻が埋め込まれている玄関。側面にはサーフボードが立てかけてある。すみよしさんは「男鹿の海と山が気にいって住み着いたという」。山菜の季節には山へ、波のある日はサーフボードを持って海岸に行くのが日課だ。作品の素材となる流木や貝殻は毎日行く海の砂浜で拾ったものである。
 すみよしさんがサーフィンをはじめたのは十年前のこと。サーフィンを楽しむかたわら砂浜に打ち上げられている流木や貝殻にひかれ、その頃から創作活動に入った。




  波がつくった芸術

 流木や貝殻を作品にする作家活動は二年前からだ。砂浜に打ち上げられたままの木や貝殻は、拾うのが勿体ないほど美しい時があるという。波が巧まずして作った芸術である。そんな時は「いただきます」と感謝して海からの贈り物を拾ってくるという。小さな、いわゆる木っぱから、トラックで運ばなければならないような丸ごと一本の木まで、「素敵だな」と思うものを拾う。
 拾った流木や貝殻はそのままの風あいを活かしてペイントなどは施さない。汚れを取り除き、流木を組んで貝殻を貼り着けたり、既成の額縁や古時計などにボンドで貼り着ける。和紙との組み合わせも自然な風あいをかもしだしている。かつて生きていたものたちは波に洗われ、磨かれて、すみよしさんの手で再び輝きを取り戻した、そんな波の音が聞こえてきそうなオブジェだ。

  自然には生命の喜びが

 すみよしさんが拾っている海からの贈り物の中で、最も気にいっているのがウニの仲間のカシパンだという。厚さ数ミリほどの円盤状のカシパンは波にもまれているうちに白くなり、中央に花弁のような紋様を描いている。まさに自然のなせる造形である。
「人間が気がつかないようなところまで、すべてに波の力が働いて美しくなっているのは感動的です。自然はすごいなと思います」
 自然の中には生きている喜びを感じられることが沢山ある。自然はいろいろなことを与えてくれる、今はそんな自然の魅力にはまっているという。自筆の書「自然からのおくりもの」に描かれているように、すべては自然の中に身をおいて考えたいという。