松本英子 松本英子
松本英子
松本英子
松本英子
松本英子
Eiko Matsumoto 松本 英子さん
歌手(秋田市出身)


  2作目でヒットに

 「SQUALL(スコール)」を初めて聴いた時、その吸い込まれるようなメロディーラインにとてもひかれました。この曲の話をいただいた時、私は何人かの候補者の中の一人だったので「曲を聴いてから」と言っていたのですが、いざ聴いてみると「これは、私が歌いたい。他人には渡せない」、と思いました。そんな風に思ったのはデビュー以来初めてでした。
 歌手が私に決まった時、作曲した福山さんは声質のことを言っていたので、多分、私の声質が「SQUALL」に合うと判断されたのでしょう。「SQUALL」は1999年9月に発売になり、40万枚の売り上げを記録しました。デビューから2作目で、「SQUALL」のような曲に巡りあえたことは幸運だったと思います。


  「歌は心」とアドバイス

 レコーディングの時は福山さんには、楽曲のポイントなどをアドバイスされました。その後、しばらくして、福山さんの前で歌う機会があって、私は緊張のため歌詞を追うことだけで精いっぱいでしたが、福山さんは私以上に緊張していたようです。後で、「やはり、歌は心なんだよね。緊張するのはわかるけど、テクニックだけでは心は伝わらない」と言われました。福山さんのその言葉は印象的で、ずっと私の中に残っています。
 「SQUALL」の次の曲はディズニービデオ「リトルマーメイド2」の日本語版テーマ曲「SOMEONE」でした。この曲も、ファンタジーなアニメのイメージのように、やさしく甘い、そしてどこか哀調を帯びた、すてきな曲です。

  ソフト部で全国大会へ

 これまでのジャケット写真ではとてもロマンチックに写っていますから、多分に「松本英子って女っぽい」と思われていますが、本当は体育会系なんです。
 秋田市泉中学・秋田北高時代はずっとソフトボール部でレギュラーを務めていました。そもそも、ソフトボール部に入部したのは友だちのお姉さんから「部員が3人しかいなくて、廃部になりそうだから、何とか助っ人に来て」と頼まれたのがきっかけでした。「それは大変だ」ということで、気軽に入部したのですが、それからが大変。練習が厳しくて、毎日泣いていました。でも、そのかいあって、3年の時には全国大会まで行きました。この時のうれしさは今でもおぼえています。
 歌は子どものころから好きでした。両親も音楽をやっていたので、自然に歌える環境でした。学校でも文化祭があると、必ず駆り出されて歌っていました。北高時代は「ソフトボール部の歌のうまい子」と言われていました。


  家のごはんが一番

 私がプロの歌手になりたいと言った時、母は賛成してくれましたが、父には「プロの世界は厳しいから…」と、言われました。それでも両親の希望どおりに大学はきちんと卒業するという約束で、プロデビューを許してもらいました。歌手と学業のかけもちで、大学へはあまり通えないのが現実ですが、今年は4年生になります。あと少し頑張って卒業したいと思っています。
 東京では自炊生活ですが、ごはんを作る時間もないので、ほとんど外食です。東京のごはんを日に3度食べていますが、秋田の米との差が歴然としていて、びっくりしました。東京は水がまずいせいもあり、それに飲食店はあまり良い米は使っていないので、「東京のごはんはまずい」というのが第一印象でした。私があまりごはんにこだわるので、周囲からは「英子は米にうるさい」と言われていますが、あきたこまちの、あのモチモチ感に慣れている私にとっては、本当に差は歴然とわかりました。「やっぱり、秋田の米はおいしい」それも「家で食べるごはんが一番おいしい」ですね。

  今はメールが趣味に

 昨年は「SOMEONE」の発売後に、はじめてライブツアーをやりました。札幌、仙台、秋田、福岡、大阪など、7カ所の会場でライブを行いました。はじめてのライブなので、札幌ではあたふたしましたが、2カ所目の仙台では大分落ち着いてやれました。デビュー前からラジオ番組に出たりしていたので、おしゃべりは得意なんです。言わなくてはならないことをある程度考えておいて、あとはその時に感じたことをアドリブで言うようにしています。
 ライブではお客さんの反応がじかに伝わってくるので「盛り上がってきたな」という時はいいけど、逆に「引いている」と感じた時は恐くなります。3カ所目の秋田では、友だちも大勢来てくれて、最後は「英子ガンバレ」のコールまでいただいてうれしかった。とても感謝しています。
 仕事と学業が忙しく、あまり外で遊ぶ時間もないので、今の趣味はもっぱらメールとケータイです。友だちとのメールのやりとりでは言いたい放題。ホームページも開設して日記もつけていますが、ちょっと留守にすると「どうしたの?」とファンからのメールがくるので、毎日書き込むようにしています。いつでも、どこでもできるので、メールは習慣になりました。

  いつか作詞作曲も

 将来はもっと作詞・作曲をやれたらと思っています。竹内まりやさんや、今井美樹さんの歌が好きですが、特に竹内さんは家庭を持って、自分の歌の世界もきちんと保っているところはすごいと思います。先日、竹内さんの18年ぶりのライブを見に行きましたが、ブランクを感じさせない強烈なインパクトのあるライブでした。すべてのお手本になりますね。家庭と仕事を両立している姿にあこがれます。自分の歌を考えていますが、いつかは、声だけで表現してみたいと思っています。その時に感じたことを声だけで、フィーリングで表現してみたい…そこからどういう世界が開けるのかわかりませんが、気負わず、自分のペースで進んでいきたいと思っています。

(2001.3 Vol27 掲載)

まつもと・えいこ
昭和54年、秋田市生まれ。秋田北高卒業後、上京。大学に通う傍ら、プロ歌手デビュー。2作目のシングル「SQUALL」(福山雅治作詞・作曲)は40万枚の大ヒットに。現在、5作目の曲を制作中。

松本英子さんOriginal Web Site
http://www1.sphere.ne.jp/e-room/

松本英子さんを応援するホームページ
http://www2.plala.or.jp/turara/