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市立秋田総合病院 耳鼻咽喉科 真崎 雅和 秋田県医師会 役に立つ“健康情報”を インターネットホームページでご覧ください。 URL http://www.akita.med.or.jp/ |
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花粉症は【アレルギー】の一種です。アレルギーというのはもともと持っている【免疫】といわれる力のひとつのあらわれです。 免疫とは必要でないものを排除する力 【免疫】とは簡単にいうと体内に進入してきた不利益な物を排除する力のことで、ほとんどの動物が兼ね備えています。例えばウイルスが体内に進入したときにそれと戦って最終的に体の外へ排出して、ウイルスが体を蝕むのを防ぐ働きのことです。この働きがないと動物はいろいろな病原体に侵されて生きていくことができなくなります。 不必要なものは記憶される 【免疫】の不思議なところは、排除すべき相手かどうかを記憶していることです。生きていく上で必要なものは排除しないようにうまく仕組まれています。排除すべきかどうかという記憶は生まれつき持っているわけではなく、胎外生活を始めていろいろな未知の物質と出会いを重ねるうちに覚えていくのです。このとき不要な物でも別の働きで十分速やかに排除できるものはわざわざ記憶するまでもないというものもあります。この記憶すべきかどうかという判断は、どうも生まれつき、あるいは遺伝的に決められている場合があるようです。 |
記憶されたものは速やかに排除されるが勢い余ると… いったん記憶されると、次に同じ排除すべき相手(これを【抗原】と呼びます)が進入してきたとき、いろいろな力を動員して速やかに知らないうちに相手を封じ込め排出してしまいます。ところが勢い余って自分自身を傷つけたり、自分自身の体を盾にしようとしたり、過剰な反応を引き起こすことがあります。これが【アレルギー=変わった作動】と呼ばれる反応です。鼻のアレルギーの場合でいえば進入してきた相手を鼻水で洗い流そうとしたり、くしゃみで吹き飛ばそうとしたり、さらに奥に入らないように鼻を詰まらせたりするわけで、一見合理的には見えるものの、こういう症状が穏やかな日常生活をいかに邪魔するかは、経験なさった方ならおわかりになろうかと思います。こういった場合で排除すべき相手(抗原)が花粉であるものを【花粉症】というわけです。花粉症はいつからあった 牧畜の盛んなヨーロッパでは、牧草を刈り取り乾燥させる過程で敏感な農夫が鼻やのどの焼け付くような痛みとかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、流涙を訴えることからこれを枯草熱と呼んでいたという記載がすでに古代ローマにみられます。これが花粉アレルギーだと概念づけられたのは今世紀に入ってからでした。その後アメリカで患者数の多いブタクサ花粉の研究が進んで以来300種以上のアレルギーの原因となる花粉が知られるようになっています。ところが南北に長く、山岳地形の我が国では、ブタクサのような同一種が広く多く分布することがなく、花粉症として一度に多くの患者が発生することがなかったため、欧米のような花粉症はまれだと考えられていました。 ![]() ところがにわかにここ20年ほどで春の花粉症患者が急増し、いまや毎年この時期マスコミで特集が組まれ、花粉症情報が流され、花粉症グッズが飛ぶように売れ、恒例のお祭り行事のような騒ぎとなってしまいました。 なぜ春の花粉症は増えたか 春の花粉症はいわずとしれた【スギ花粉症】です。スギは我が国特有の樹木で、スギ花粉症として大騒ぎしているのは当然日本だけです。なぜスギ花粉が増えたかというのは戦後の植林行政のたまもので、比較的生長の早いスギを戦争で坊主山になったところへ積極的に植え付けたからで、それが花粉生産の成熟期に入ったからだといわれております。ところがスギ王国わが秋田は、昔はもちろん、いまも関東ほどの爆発的スギ花粉症の発生は少ないのです。この説明としてひとつの説があります。スギというより日本の林業が収益性からほとんど省みられなくなり、密植された大量のスギが間伐も枝打ちもされず放置されていること、植林地の不適応、都会の煙害などからスギが枯れ始めてきていること、枯れる直前のスギが種族保存のため大量の花粉を放出し始めているのではないかという説です。花粉症はスギの悲鳴だというわけです。秋田のスギはまだ悲鳴をあげていないのでしょう。 もちろんこれだけが理由というわけではなく、花粉症以外でもアレルギー患者そのものが増えているのは事実で、環境や食事その他いろいろな要因がいわれています。 予防と治療 もうこれはどうしようもないのです。花粉から逃げるしかありません。外に出ない、窓を開けない、出たら花粉マスクとゴーグルをつけて、家に入るときは丁寧に払って持ち込まない。アレルギー用の薬は症状の強いときは、大した効果はありません。症状の出る前、花粉飛散の1月前から飲み始めていると効果がよいといわれています。耳鼻科ではなにをする?鼻を洗う、温熱治療をする、鼻に薬を振りかける、レーザーで粘膜を焼く、抵抗力をつける等々。決定的な方法があれば毎年こんなには騒がれないでしょうが、今ある症状をぴたりと止めることは土台無理な話です。刹那的な治療ではなく、次の年のことを考えるという意味で相談してみてください。 |