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最近、髪の毛が薄くなってきた…。
頭髪は硬毛という太い毛です。この硬毛には毛周期と呼ばれる周期があり、毛がどんどん伸びる成長期、成長が止まった移行期、抜け落ちるようになった休止期に分かれています。一般に経験する抜け毛は、この休止期に入った毛で、誰でも一日百本ほどは生理的に抜け替わっています。ある程度の抜け毛は生理的な現象ですから心配はありません。
しかし、青年期から壮年期の働き盛りの方で、年齢とともに額の左右と頭のてっぺんが薄くなってきたら、壮年性脱毛症、俗にいう若はげと思ってよいでしょう。壮年性脱毛症の場合、毛の抜け替わる毛周期が短くなり、しかも生え替わってくる毛が細くて短い軟毛、いわゆるうぶ毛になるため、髪の毛が薄くなっていくのです。多くは額からM字形に毛が抜け、加齢とともに進行します。
毛の抜ける原因は何でしょうか。
恐らく遺伝的な体質と男性ホルモンの影響により、髪の毛の寿命が短くなるのであろうと考えられていますが、はっきりとしたことは分かっていません。実際、家族の中に若い頃から髪の毛の薄い人がいると、同じように髪の毛が薄くなる確率が高くなります。また、男性ホルモンについては、その量が多いというわけではなく、毛が男性ホルモンの影響を受けやすい性質を持っていると考えられています。
昆布などの海草が
髪の毛によいといわれますが…。
海草はヨードやミネラルなどの栄養素は豊富です。しかし、昔のように偏った食事をしている人でない限り、現在の日本で一般的に健康な人の脱毛に関しては、その効果には科学的な根拠はなく、俗説の範囲を出ません。最近では、極端なダイエットによる栄養分の摂取不足で脱毛が起こる人が増えていますので、そちらの方が問題だと思われます。
市販の一般的な育毛剤は効果がありますか。
現在市販されている育毛剤は血行促進作用のある薬品や生薬が中心ですが、根気よく使うと少し効果があるようです。妥当な価格のごく一般的な商品に関する調査で、半年で抜け毛が減り、伸びもよくなり、一年もすると本人も効果が実感できるようになったという報告があります。脱毛を止めることはできませんが、進行を少し遅らせることぐらいはできるかなという印象はあります。
新しい治療法はありますか。
薬局で誰でも手に入る大衆薬として、新しい育毛剤が去年から販売されています。この薬(商品名:リアップ)の成分であるミノキシジルは、もともとは血圧を下げる薬として開発されましたが、服用した人の中に、髪の毛が濃くなったという報告があり、血圧に影響しないように塗り薬として作りなおされました。ミノキシジルの作用はまだ完全に解明されたわけではありませんが、血行をよくするだけでなく、毛をつくる細胞に直接働きかけて、その活動を活発にする作用があると考えられています。アメリカでは5%と2%の濃度のものが市販されていますが、日本では安全面を考慮して1%の商品が発売されています。
この薬は、年齢が若く、脱毛が始まって時間が経っていない人には効果があります。でも、全く毛が無い状態が長く続いている場合には、新たに毛が生えてくるのは難しいようです。うぶ毛が残っていれば太い硬毛になる可能性はありますし、硬毛が細く短くなること(軟毛化)の進行を遅らせることはできるようです。この薬の効果は個人差がありますので必ず効くという保証はありませんが、少なくとも三カ月は使用してみてください。効果が実感できるようになるには、一年はかかるでしょう。大きな副作用は報告されていませんが、心臓に異常のある方は使用を控えた方が無難ですし、動悸、胸痛等の症状が生じたらすぐ使用を止めてください。
かつらのコマーシャルが盛んですが… 。
髪の薄い方を対象に、マッサージやスチームなどのサービス、シャンプー・リンス類の販売、オーダーメードのかつらの作成、などが行われており、業績を上げているようです。かつらをつけることで性格が明るくなり、気分的な落ち込みを防ぐという精神的効果に人気があるようです。ただし、一度着用してしまうと心理的にも人前では二度と外したくなくなること、そのためにも定期的にかなりの出費をともなうこと、などの問題点もあるため、消費者としては十分考えた上での着用をおすすめします。
髪の薄いのを一つの個性として受け入れて、
諦めるよりしょうがないのでしょうか。
昔だったら、毛が無くても命に別状はないから、といって済ませていたものです。しかし、現在では、脱毛で真剣に悩む人を救おうということで、皮膚科学の分野で基礎研究が盛んに行われています。試験管の中で髪の毛を培養して増やすとか、皮膚の細胞から毛の細胞を作るとか、いろんな研究が進んでいます。今後の研究の発展次第で、いずれは脱毛を克服できるものと期待されます。もうしばらくの辛抱です。
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