秋田県医師会 関口レディース・クリニック 関口 一彦

秋田県医師会
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 私のクリニックを訪れてくださる患者さんの中には、不妊の問題で悩んでいる方が大勢いらっしゃいます。今回は、どうして赤ちゃんができにくいのか、という相談に答えるかたちで、書いてみたいと思います。
 まずひと口に不妊症といっても、その原因はさまざまなのです。そしてその原因を見つけるための検査、原因がわかってからの治療方針も、一人ひとり違ってきます。また女性だけではなく、男性側にも原因があることもありますので、その点にも少々触れてみたいと思います。

 
 排卵がきちんとおこっていますか?

 妊娠の第一条件として排卵がおこっていなければなりません。”生理不順なんですが…“”基礎体温がばらばらなんですが…“などの訴えで受診される方の中には、排卵がなかったり、卵を十分に育てることができない『排卵障害』と診断される方が多く含まれています。また排卵があったりなかったりする不規則な排卵状態の方を加えますと、『排卵障害』は不妊の原因の大きな部分を占めているといえます。
 『排卵障害』は、排卵をとりまくホルモンの異常などでひきおこされます。女性ホルモンはいとも簡単にストレスでくるってしまう特徴があります。仕事が変わった、多忙であるなどの社会的ストレス、食欲不振や体重変化(ダイエットなど)、激しいスポーツ、時には家庭内のストレスが原因となることもあります。また他のホルモン、例えば甲状腺の機能障害や、おっぱいが出ることにより排卵が不安定になることもあります。おっぱいが出るような状態(もちろん妊娠中・出産後は別です)は、ホルモンの異常でも認められますが、ある種の薬を服用しても認められることがありますので、気をつけましょう。そんなに珍しいことではありませんので、一度ご自分でもチェックされてみたらよいと思います。

 
 卵管がとおっていますか?

 卵管は卵子と精子が出合い、受精卵がつくられるところです。この部分に通過障害がありますと正常な妊娠ができにくくなります。
 この原因として考えられることは、骨盤内の感染症や子宮内膜症など、また過去の分娩や流産のさいに偶然につまってしまったなどがあげられます。感染症などがありますと、バイ菌が卵管組織を侵触して、ひどくなると閉塞をおこしてしまいます。代表的なものにクラミジア感染症や進行した虫垂炎などがあります。また子宮内膜症は、骨盤内に癒着性の病変をおこしやすく、卵管の動きが制限されたり、やはり閉塞をきたしたりします。最近では若い年代にも増えてきており、不妊の原因として重要視されています。
 このためのレントゲン検査が子宮卵管造影というものです。この検査は、卵管を拡げる効果もあり、検査後に妊娠する方が多いのも特徴です。

  子宮や卵巣に異常はありませんか?

 子宮は受精卵が着床し赤ちゃんが育つところ、卵巣は卵子が育つところです。子宮に筋腫や子宮内膜症などの腫瘍性病変や、双角子宮などの形態異常がありますと、妊娠を妨げたり、妊娠しても流産がおこりやすくなってしまう場合があります。卵巣が腫れていても同様です。”生理痛が、ひどいんですが…“”生理の量が、とても多いのが気になるのですが…“などと訴える方は、一度しっかりと診察を受けましょう。

  男性不妊ってなんですか?

 不妊の原因は男女半々といわれていることをご存じですか?昔は不妊というと女性だけに責任があるようにいわれてましたが、最近は精子の研究が進んで、いろいろなことがわかってきました。数が少ない、見つからない、動きが悪い、バイ菌が混ざっているなどです。男性も外来で検査を行えばすぐわかりますが、体調にも左右されやすいため、体調を整えて、一緒に検査を受けることをおすすめします。
 不妊治療は、体外受精をはじめとし近年著しく進歩しました。倫理問題などの新たな問題もおこってきましたが、不妊で悩んでいる方には、確かに福音となっていると思えます。
 ”赤ちゃんが欲しい“方へ。まず今回説明したように、基本的な検査から始めてみましょう。ひとりで悩んでいないで、最寄りの産婦人科に、ぜひ気軽に相談にいらしてください。