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うつ病とは
このところ、うつ病という病気がメディアによくのり、知られるようになってきました。しかし残念ながら、その内容については、まだ十分知られていないのが現状でしょう。
1.うつ病への誤解
■「精神病だ」「不治の病だ」→「精神病」と考える必要はありません。治る病気です。
■「憂うつになるなんて誰にでもあること、気持ちの持ちようだ」→誰でもがかかるかもしれない病気ではありますが、決して「誰にでもあること」ではありません。れっきとした「脳の病気」です。
ですから、他の病気と同じように、療養と治療が必要ですし、そのためにも、早期発見早期治療が大事です。

2.どのくらいある病気か
WHO(世界保健機構)は、今この時点で全人類のうち約3%の人がうつ病で苦しんでいるとしています。アメリカの統計では、一カ月に5%の人がうつ病にかかるとされます。これぐらいありふれた病気なのです。
一方で、うつ病にかかっている間は、はためで見るよりはるかに大変です。前述のWHOは、生きているうちにかかる病気で、最も人間を苦しませるものの第一位に、うつ病をランクしています。さらに本人だけでなく、その家族も重荷を背負います。ただ家族も大事な治療者であるということを認識していただきたい。もっとも重大なことは、この病気のために、自殺する可能性があることです。自殺率が日本一高い秋田県でも、自殺にうつ病がかなり大きく関係していると考えられます。
3.原因は?
脳の神経伝達物質の働きがうまく作用しなくなっているということはわかっています。厳密にはまだはっきりとはしていません。しかしいずれにしても、心臓や肝臓や胃が病気になるように、「脳の病気」です。決して「なまけ」「ひやみこき」ではありません。
うつ病の症状
うつ病とは、一言で言えば「疲弊病」です。脳の働きが悪くなりますから、本来もっていたエネルギーが減退し、活力が乏しくなった状態です。その第一の特徴は「抑制」です。からだも頭もこころも渋滞して動けなくなります。二番目に「抑うつ気分」です。三番目に「不安焦燥感」です。症状を「からだ」と「こころに」分けて、下記の表にしました。
年配になるほど表立って辛いのが「不安焦燥感」です。体があちこち苦しくていても立ってもいられない、寝ても起きてもいられなくて、内科の検査をしても何も異常所見なしと言われたら、うつ病を考える必要があります。特に辛いのが「一番得意なこと、好きなことが真っ先にできなくなる」ことです。また、夜中にあるいは朝早くぱっと目がさめてしまい、あと眠れなくなる、この時につぎからつぎへと悪いことしか頭に浮かんでこないことも、とても辛いようです。明け方に自殺してしまう一つの要因です。
うつ病の治療
1)まず何をおいても静養です。他の病気でもそうですが、特にうつ病は静養が何よりの薬です。一日中寝ていられれば一番良いほどです。
2)薬―抗うつ薬
さまざまな種類の薬が出ています。当初、眠気・口が渇く・吐き気・便秘などの副作用が出ることもありますが、重大な副作用は通常なく、一〜二週間すると体になじんで薄れてくることも多いものです。抗うつ薬の効果は、休むことで十分発揮されます。一生懸命働きながら服むと、副作用ばかり出ることもあるので注意が必要です。
3)家族がしてはいけないこと
・なまけととらえて厳しく接する(自分がいけないと本人が思いこみがちなので、ますます自分を責め苦しむ、あげく孤立し自殺することもあります)
・「がんばれ」と励ます(がんばろうとしてがんばれなくなっている人を絶望させて、自殺に追い込むことすらあります)
・「気分転換」を勧める(身動きできなくなっている人を、無理して動かすことで、病状を悪化させる、あるいは長引かせることになりがちです)
・「薬は恐いのでなるべくのまないように」と言う(抗うつ薬を中途半端にのむと、かえって治りにくくなることもあります)
※自殺を防ぐポイント
良くなるまで自殺をしないと口にして約束してもらうこと(自殺の話などしようものなら自殺に追いやるのでないかと考えがちですが、むしろ逆です)
うつ病の経過
改善には、三カ月がひとつのめどです。まず眠りがとれるようになってきます。その後の大まかな改善のしかたは、図のようになります。回復までの間には、フケサメ(良くなったり悪くなったりの波)が必ずあります。あわてないでください。良くなってからも、早い復職はしないでください。よくなりかけが大事です。余力を十分つける必要があります。
薬も数カ月はやめないでください。再発を防ぐためです。
最後にもしうつ病になったとしたら…、せっかくうつ病になったのですから、じっくり休息して、回復してからこれまでの暮らしかたを見直してみましょう。
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